山のこと、道具のこと。

スキー

万太郎山ツアー、終電を逃す

2025-26シーズン、本格的な春スキーの幕開けに、3月末に万太郎山スキーに出かけた。万太郎山は谷川主脈の中央に位置する1954mの山で、東に谷川岳、西に仙ノ倉山・平標山と連なる。

今回は星野リゾートによって「谷川岳ヨッホ」というおかしな名前に変えられてしまったロープウェイに乗った。滑走用具を持っていると強制的にリフト券も買わされてしまうので、天神平までリフトに乗った。仕方ないね。

3月は山スキーから離れており、上についてみたらがっつり春になっていて焦った。ややロフトのあるメリノウールのベースレイヤーで来てしまった。もっと涼しい格好でくればよかった。スキーをはじめて3回目の春なので季節が変わると装備も変わることにまだあまり慣れていない。街にいるときに山をイメージできないことがちょくちょくある。経験の足りなさを痛感する。

9:00 行動開始。

谷川岳への登山者で尾根上は賑わっていた。

11:20 肩ノ小屋。ここまでならお散歩。とても気持ちがいい。骨折明けの仲間がいたのでゆっくり目に登った。この時点で標高1900mほど。この高度で森林限界より上にいて、アルパインエリアのような景色になるのだから谷川はすごい。「近くてよい山」大島亮吉に偽りなし。

13:30 オジカ沢ノ頭、計画から遅れ始める。特にこれといって大きなトラブルがあったわけではない。スキー歩行、ブーツアイゼンをつけてのシートラなどトランジションで時間がかかるメンバーが出たり、大きなグライドをかわしたりしてるうちに時間を食ってしまった。

13:40 滑走開始。ここから最高のザラメ滑走。右側が主脈。左側は俎嵓。真っ白な山に囲まれた空間に滑り込んでいくこの瞬間は素晴らしかった。標高が下がるにつれてストップスノーになってしまいながらも沢へ滑り込んだ。

14:40に今ツアー最低高度に到着。ここでようやく昼食。補給が遅れこの後の行動に悪影響が出た。ここから万太郎ピークまで約500mを再びハイク。途中から雪がなくシートラとなった。服の選定ミスもあり汗をかきすぎてしまい、バテ始める。ピークに着いたのは16:20。ここでもメンバーの待ち時間が発生してしまい滑走開始は16:40。終電に間に合わないな〜と思い始める。

慣れないブーツアイゼンを履いてのシートラで、前腿の筋肉を使いすぎ&水不足で足が攣り始めていた…。たくさん登った甲斐もあって最後に長い滑走を楽しみつつ、毛渡沢へ降りていく。滑走が楽しいという気持ちと、こんな筋肉の状態でこれから先大丈夫かという不安が入り混じる。100%滑走を楽しめないことがもどかしかった。途中からは木がうるさくなって、下山モード。とにかく暑かった。郡大ヒュッテ先の毛渡沢沿いの歩きは平標西ゼン滑走をやった時に経験していて、その長さ・ダルさを知っていたので正直気が重かった。

18:20 郡大ヒュッテ。ちょいちょい雪が途切れていたり、沢が割れていて渡渉する必要があったり、余計に時間を食った。

19:25 県道541に出る。終電は19:35。残り10分。半ば諦めつつも頑張って歩いたが、18:38駅に到着。間に合わず…。最後土樽駅へ直登できる階段で虚しく電車の音が響く。階段を一生懸命登っていたら、前腿の全筋肉が攣って動けなくなった。駅のホームについてみたら、先行していたはずのパーティのリーダーがいなかった。彼は終電に間に合った。そして電車に乗って車を回収しに行ってくれた…。

そこから、リーダーと電話で連絡をとり、合流点を決めてこちらはタクシーで向かった。リーダーは土樽のもぐら駅から長いトンネルを登りあげ、さらにヨッホの駐車場まで登り、車を運転してきてくれた。ヨッホから土樽は意外と遠く、合流にも時間がかかった。

反省点は多々ある。何よりアイゼンシートラへの慣れが必要だろう。登山でもスキー登行でも、慣れると太ももやお尻の大きい筋肉で楽に登れるが、慣れないアイゼンシートラでは前腿の筋肉に頼りすぎてしまった。また、春スキーへの日射・暑さ対策。時間が押していて休憩を取れない中での補給。担ぐべき水の量。などなど。骨折明けのメンバーが今シーズン山慣れしておらず、トランジション・歩行・滑走全てにおいて時間的ロスがあったのも要因の一つではある。

とはいえ、ツアー全体としては最高だった。谷川主脈を歩き、山に囲まれた雄大な景色を滑り、万太郎のピークを踏む。山スキーにイメージしていた、自分が山に求める「見返り」がそこにはあった。

近いうちに、またリベンジをしたい。


実は、古くからの友人が5年前に同じ万太郎ツアーを敢行した際、板を毛渡沢に流し、1時間以上かけて回収し、同じく終電に間に合わなかったという回があったらしい。なので次はその友人と仲良くリベンジ案件としてツアーを開催したい。

谷川岳は、日帰り馬蹄形縦走・平標西ゼン滑走・平標沢ドパウ滑走など、思い出深い山行が多い。こうやって好きな山が増えていくというのは、いいことだね。