山のこと、道具のこと。

スキー

あゝ遥かなる鳥海山

2026年のゴールデンウィークは黒部に行くはずだった。自分が北アルプスの中でも大好きな地形である金策谷カールをスキーで滑る計画を立てていた。しかしながら、今年は積雪の少なさに加え季節の進みが早く、コンディションがあまり良くなさそうなので、見送ることになった。次点で候補に上がっていた飯豊山も、直近のログを見る限り滑走のいい部分は季節的に間に合いそうもなかった。

結局、ゴールデンウィーク前半は天気も芳しくなく、お馴染みの「乗鞍岳&松本飲み会」をやった。上の方は凍えるほど寒く、雪もカリカリで、登頂はしなかった。乗鞍のバスが予約制になったのに加え、下りの便が数本しかないため、都合のいい時間のバスが存在せず、初めてツアーコースで降りた。山の中のバンクドスラロームって感じでこれが楽しかった。次回からはツアーコースに雪があるうちに行って、自力下山を前提に計画を立てることになりそう。

そして、ゴールデンウィーク後半は鳥海山となった。鳥海山は季節の進みが早すぎるということもなく、例年通り遊べそうだった。

初日は外輪のピークである七高山。去年は天候不良で条件が厳しく、上昇気流で運ばれた大量の鳥が山頂付近の低気温で死んでしまっていた。斜面もカリカリでピークハントできなかったので、今回の天気の穏やかさに驚いた。

七高山のピーク直下からドロップ。北西面を滑った。人がたくさんいたのに、不思議とシュプールがついていなかった。集団心理というのか、なぜか人は人が登ってるところから登りたがる。そして、滑る時も人が多い斜面に引き寄せられるようだ。安心するのだろうか。これだけ懐が広く、大きな鳥海山で、なんでこんなに人がいて狭いところを滑ってくるのだろう、というスキーヤーがたくさんいた。少し工夫すれば無限に遊べる場所があるのに、一般登山者と同じようにピストンで帰ってきて、ギタギタの斜面を滑る人たち。地形図を読み、いろんな斜面を試して、真面目に遊ぶというのは大事なんだなぁと思った。僕らがシュプールを入れた後は、後を追うように同じ面を滑走する人が増えていた。

二日目は雨なので山菜をとって山菜パーティー。

三日目は下の方でモチャモチャ滑って登ってを繰り返して遊んだ。この日はG3のStingerをお借りした。鱗板、凄すぎる。今年予約したので、来年は鱗板で遊べる。

最終日に、ついに新山ピークへ。千蛇谷は壮大で、地球を感じるすごい場所だった。天気が良ければ何度でもここに来たいと思った。

新山にタッチしたら、滑走準備。ピークからそのまま北壁を滑った。

北壁はやばかった。鳥海山は北・北西以外は千蛇谷を挟んで外輪に囲まれており、比較的緩やかな斜面が広がっている。しかし北面は山頂から一気に斜面が下まで続いていて、壁のように見えることから「北壁」と呼ばれている。こんなにうねりのない斜面が、樹林もなくこれだけの高低差で続いてる場所って他にあるのだろうか。

雪が緩んでいれば、この一枚バーンを堪能できるのだろうが、この日は上の方はカチカチだった。とてもテレマークターンができるような状況ではなく、「転んだらアウト」という状況の中、ウィペットとピッケルを握りしめ、徐々に雪が緩む高度まで落としていった。

雪が緩んでからは最高だった。軽快にターンをして、一気に標高差にして900mの滑走。後は藪漕ぎを交えつつ、復帰するのみ。スキーを背負っての藪漕ぎは初めてだったが、先輩の経験からわずかな藪漕ぎで済み、無事戻ってきた。

↑まだ背丈が低く、写真を撮る余裕があった時。

鳥海山。良い山だなぁ。いつか夏山も登ってみたい。