山のこと、道具のこと。

道具

ツェルトで寝る

今年、Finetrackの「ツェルト2ロング」を買った。ツェルトは緊急時のビバーク等で使うものだが、この商品はツェルトを日頃から積極的に使えるようサイズを大きめにし、サイドリフターをつけて居住空間を広く取れるようになっている。また、各辺はダイニーマテープになっているためしっかりテンションがかけられる上に、生地は結露しにくいよう透湿防水素材が使われている。

近所の公園に試し張りしつつ、シームコートを塗ってから、赤岳鉱泉でツェルト泊デビュー。ちょうど友人がテント泊登山デビューということで、8月初旬に八ヶ岳に行った際に日帰り用の25Lザックにツェルトを詰めて行った。樹林帯は風もなく、天気も良くて穏やかな夜でよく眠れた。気温も高く結露もしなかった。

タープとしてのツェルト

ツェルトの一部をタープにして、屋根として使えるのも良い。下の写真は通常通り設営した後、友人のトレッキングポールを借りて片側を跳ね上げ、小雨が降ってもこの下で食事を取れるようにしている。2人用テントに閉じこもるよりは開放感があって気持ちがいい。寝る時は屋根を下ろして寝る。初めからテント型に設営してあるので片側だけ元に戻して壁とフロアを作り直すことができる。

片側を跳ね上げたツェルト
片側を跳ね上げたツェルト

夜、閉じた時のツェルト
夜、閉じた時のツェルト

ツェルトを完全に開いて、タープとして使うこともできる。このパターンは壁をつくることを前提に設営してないので、あとからテント型に閉じるのは手間がかかりそう。

タープとしてのツェルト
タープとしてのツェルト

写真はタープの下にマット・寝袋・エスケープビビィ・虫除けネットで河原で野宿した時。星空と風が気持ちよい。この日の夜の気温は10~15度で、タープの内側がしっかり結露していた。


ツェルトは良い。軽くてタープにもテント型にもでき、安心感がある。ビビィサック泊ほど尖ったスタイルではなく、天気が良ければタープ泊スタイル、悪ければテント泊スタイルというように臨機応変に切り替えられる。ツェルト2ロングは身長178cmの自分が寝るのに十分な広さで、快適を犠牲にしてる感があまりない。

ツェルトが苦手とする面もある。

まず、強風に弱い。ロープのテンションだけで建っているため、ポールで自立するテントと比べると構造的に風に弱い。サイドリフターで室内空間を広げても強風時は潰れてしまうので、その場合はインナーポールをつけるといいらしい。

次に床上浸水のしやすさがある。ツェルト2ロングは両サイドの壁の生地の延長部分を縛って床とする作りで、床面に防水性はない。そのため内部にシートを引いて、バスタブのように少し高さをだすことで浸水から守る必要がある。シングルウォールテントと同じく結露もしやすいので、結露で寝袋やギアが濡れない工夫も必要になってくる。

また、ツェルトはテントほど大きくない割に、大きな設営面積を必要とする。長辺方向両側に大きなテンションが必要なのはもちろん、サイドリフターにもテンションをかけようとすると結構な面積を取る。混雑しているテント場ではやや苦労する。

しかしながら、これらの弱点はむしろ山を楽しむひとつの側面だと思う。安心安全のダブルウォールテントも良いが、自分なりの工夫を楽しむツェルト泊は別の良さがある。

写真は雨の長衛小屋。黒戸尾根から甲斐駒経由で北沢峠に降りて大混雑のテント場にツェルトを2張り。